◎蒲生の古墳


3、定石古墳群

雪野山全山には、雪山古墳(4世紀中頃)をはじめ、約300余の古墳が築造されている。その東南端、羽田町と横山町の境界から南に展開する山裾に定石〈さだいし〉古墳群は、4支群15基が確認されていて、墳丘が削平されたものや石室の崩壊で、形状確認の困難な古墳が殆どであるが、確認された石室は全て両袖式であった。

町史編纂に当たって、平成9年(1997)3月遺存状態の良い古墳を実測調査された。羽田町の平石古墳群に接近する1号墳は、墳丘径約100m、石室は玄室(お棺を入れる部屋)幅20m、長さ40m、高さ約18m、羨道部(せんどうぶ)(石室への入り口通路)は、幅114m、長さ266m、高さ0.9mあり幅1.4m、高さ15mの巨石を用いている。3号墳は円墳で墳径130m、高さ30m、石室は玄室幅17m、長さ34mたじゃさ役16mあり両古墳は、何れも東南東に開口している。この実測調査後、6号墳の西近くに、新たな12号墳が見つかり、玄室の奥壁幅1.7m、玄門部付近幅2.4m玄室長4.5m奥壁高さ2.7m玄門部での羨道の高さ0.6m、羨道と玄室は1.85mである、玄室の大きい古墳である。これら古墳の形態は横穴式石室であり、毛機材は湯の山から産出する湖東流紋岩が使用され、渡来系氏族により築造されたとみられている。