◎万葉ロマンの里づくり部会

蒲生の文化財(がまチョコ213号)

「万葉ロマンと布引焼」講演会  (2024年6月22日)

蒲生の文化財(がまチョコ208号)

蒲生の文化財(がまチョコ207号)

蒲生の文化財(がまチョコ206号)

蒲生の文化財(がまチョコ205号)

蒲生の文化財(がまチョコ204号)

蒲生の文化財(がまチョコ203号)

万葉ロマン~紫草の物語~講演会   (2024年1月20日)

蒲生の文化財(がまチョコ202号)

歴史ウォーク2023 桜川西

蒲生の文化財(がまチョコ201号)

蒲生の文化財(がまチョコ200号)

万葉歌人「山部赤人」の講演会(見学会)

蒲生の文化財(がまチョコ199号)

蒲生の文化財(がまチョコ198号)

蒲生の文化財(がまチョコ197号)

蒲生の文化財(がまチョコ196号)

蒲生野・万葉ロマンの会        (2023.03.15)

蒲生野・万葉ロマンの会        (2022.06.24)

国指定重要文化財 石塔寺(いしどうじ)宝塔

 石塔寺の石造三重塔の傍に建つ宝塔は、基礎の刻銘から鎌倉時代の正安4年に平景吉という石工によって造立されたことが明らかです。基礎・塔身・笠・相輪と各部が揃い均整がよくとれた宝塔です。なお、相輪は後世に別のものに替えられています。基礎は壇上積み式で、格狭間内に開花蓮が浮き彫りされ、塔身は、円筒形で軸部・勾欄

・首部の三部よりなり、軸部に両開きの扉が刻まれています。中世の石造塔には刻銘のものは少なく、造立年代・石工名が刻まれたこの塔は、他の石造塔と比較するうえでも非常に貴重で、資料的価値の高い宝塔です

 

6月22 日(土)の午後「蒲生野・万葉ロマンの会第6回講演会」が、市役所東庁舎と布引焼窯元で開催されました。この会は市辺まち協と蒲生まち協が中心になって結成され、万葉集の蒲生野の歌を絆

としたまちづくりに取り組んでいます。

今回は、布引焼窯元の小嶋太郎氏と小嶋一浩氏を講師に行われました。東近江の地では白鳳時代から平安時代にかけて布引丘陵で緑釉陶器が焼かれました。小嶋太郎氏はそれを現代風に再現することを試み、その過程で「七彩天目」と名付けた絵付け技法を考案し、風景や植物など自然の情景を陶器に描き込む新しい焼物・布引焼を作り上げました。講座では小嶋太郎・一浩父子の歩みをお聞きし、その作品に接することにより、東近江の焼き物について認識を深めることができました。

東近江市指定文化財 八幡神社懸仏(かけぼとけ)

 鏡面に仏像を取り付けたものを懸仏と呼びます。外原町の八幡神社の懸仏は径32㎝、3枚の檜板を合わせた円形板に銅板をかぶせて鏡板を作り、八幡神の本地仏である阿弥陀如来坐像を中央に安置し、上部に天蓋(てんがい)、左右に花瓶を取り付け、両肩には獅嚙(しかみ)座の釣鐶を付けます。裏面に「殿原宇佐宮 永徳元年(1381)」などの墨書があり、南北朝時代の作品であることがわかります。

東近江市指定有形文化財 竹田神社能舞台

鋳物師町の竹田神社境内に県内でも数少ない能舞台が在ります。この建物は明治26(1893)年に地元の竹田猪八郎が寄進したもので、近在の大工、川西藤吉が舞台等を、戸田松之助が橋掛りと鏡の間を造りました。能舞台は5.1m四方で、橋掛りと鏡の間は舞台と直角に建てられています。舞台の正面の板壁に大きな「老松」が描かれています。この能舞台は能狂言の復興を願った篤志家と、それを支えた地域の人々の思いを知ることができる貴重な建築です。

国登録有形文化財 ガリ版伝承館

ガリ版伝承館は、蒲生岡本町の旧堀井家の屋敷の中にある洋館です。堀井新治郎氏は明治27年(1894)ヤスリと鉄筆を使った簡易な印刷技術、謄写版(愛称:ガリ版)を発明し、全国に普及させた郷土の偉人です。洋館は、明治42年(1909)大阪の大工野口清蔵により建築されました。建物は二階建て、寄棟造、桟瓦葺き、外部は横板下見板張り、内部は一・二階とも一部屋で、暖炉を設け、天井は一階が格天井、二階は白しっくい塗りの洋風の意匠となっています。

 

東近江市指定文化財八幡社本殿

 八幡社は大塚町に所在し、本殿は覆い屋のなかにあります。小規模ながら中世の典型的な「一間社流れ造り」の型式を踏襲して、屋根はこけら葺きです。室町時代の永正元年(1504)の記がある絵馬があり、桁や垂木の反り増しの技法や、蟇股や脇障子の繊細で美しい文様彫刻などからも、この頃建てられたものと考えられます。

 

 

国指定重要文化財 木造阿弥陀如来坐像

 合戸町の誓安寺の本尊です。像高87センチ、檜の寄木造(よせぎづくり)で、足は結跏趺坐(けっかふざ)し、手は腹部の前で定印(じょういん)を結んでいます。現在は衲衣(のうえ)のみ漆箔(しっぱく)ですが、元は全身に漆箔を施していました。平安時代

後期の十二世紀の作で、その頃に流行していた定朝様(じょうちょうよう)の彫刻です。天台浄土教の仏像として造られたものと考えら

れています。

 

東近江市指定有形文化財 山部神社本殿

 山部神社は下麻生町の北寄りに所在し、本殿は覆い屋の中にあります。桁行一間、梁間一間の身舎に、桁行一間の向拝を附加した「一間社流れ造り」の構造です。妻は豕扠首(いのこさす)組で、屋根はこけら板葺きです。垂木や桁の強い反り増し、木負(きおい)・茅負(かやおい)がL型の断面となっていることなどの様式技法から室町時代(16 世紀後半頃)の建築です。

 1月20 日の午後、蒲生野・万葉ロマンの会第5回講演会が、市辺コミュニティセンターで開催されました。

 この会は市辺まち協と蒲生まち協が中心になって結成され、万葉集の蒲生野の歌を絆としたまちづくりに取り組んでいます。今回は、株式会社みんなの奥永源寺代表取締役の前川真司氏を講師に招いて行われました。八日市南高校で農業教員をしていた時に東近江市の花「ムラサキ」に出会い、その後は地域おこし協力隊として奥永源寺地域の君ヶ畑町でムラサキの栽培に取り組んでいること、東近江地域の風土の成り立ちと万葉時代の東近江の歴史などを、熱い口調で語っていただきました。

 参加者一同、市の花「ムラサキ」や東近江の古代史について思いを新たにすることができました。

国指定 重要文化財 木造帝釈天立像

上麻生町の法雲寺に伝わる仏像です。元は甲賀郡の飯道寺の仏像であったと伝わり、江戸時代半ばには法雲寺で観音像として祀られていました。像高160センチ、檜の一木造りの彩色像で、両手先・両足先は別材を矧ぎ付けています。頭上の大きな宝髻、簡素な衣類などが印象的な帝釈天像と言えます。平安時代中期、十世紀後半頃の作です。

歴史ウオーク 桜川西           (2023.11.11)

万葉ロマンの里づくり部会の今年度からの新企画「歴史ウォーク」を、11月11日に開催しました。コミセンから出発し、桜川西区を一周してコミセンに戻るコースで、参加者14名が約2時間30分のウォークを行いました。コース途中の医療センター、旧火葬場、桜川駅、小房銀座、敬円寺、旧桜川村役場跡、子守勝手神社などでは、桜川西区在住の西田善美さんより楽しく、かつ詳しい解説を聞きました。自動車や自転車で走っているだけではわからない、地域の歴史や暮らしの一端を垣間見ることができ、桜川西区の魅力を再発見しました。北風の強い日でしたが、皆さんそれぞれに「歴史ウォーク」を楽しんでいただけました。

滋賀県指定有形文化財 雨神社本殿

雨神社本殿(市子殿町)は、蒲生郵便局の北西の小さな森の中の覆屋の右端にあります。建物は間口が1mに満たない小規模な本殿で、形式は「一間社流れ造り」で、正面に向拝が付き、屋根はヨシで葺かれています。蟇股(かえるまた)や手挟(たばさみ)などの彫刻も優れた意匠です。棟札より大永3年(1523)に建築されたことがわかります。この建物は、建築年代が明確であることから、室町時代の数少ない小規模本殿の特徴を知る上で貴重な建築です。

 

滋賀県指定史跡 木村古墳群

川合町から木村町に広がる名神高速道路沿いの水田中にある、古墳時代中期(5世紀)に造られた古墳群です。

かつて古墳は5基以上ありましたが、現在は「あかね古墳公園」として2基が復元整備されています。天乞山古墳は1辺65mで、県下最大規模を誇る方墳です。久保田山古墳は直径57mの大型円墳です。両古墳とも周囲を濠がめぐり、造り出し(突出部)があり、墳丘には葺石や埴輪も配置され、築造当時の様子がよく分かります。

 

万葉歌人講演会                 (2023年度)

 9月30日の午後、蒲生野・万葉ロマンの会第4回講演会が、下麻生町の山部神社拝殿において行われました。この会は市辺まち協と蒲生まち協が中心になって2年前に結成され、万葉集の蒲生野の歌を結節点としたまちづくりに取り組んでいます。当日は、少し暑さの残る中、会員の方、地元町内の方、一般の方など約60名の参加で賑わいました。講師は下麻生在住の石岡昌一先生で、万葉歌人として有名な山部赤人が下麻生の地で終焉を迎え、その後に山部神社と赤人寺ができたことを、万葉集の歌誦や紙芝居なども織り交ぜて、わかりやすく話してくださいました。講演後は、山部神社、赤人寺、万葉歌碑、赤人廟碑なども見学し、1300年前に活躍した山部赤人にしばし思いを馳せました。

国指定重要文化財 高木神社境内社日吉神社本殿  (2023年度)

 高木神社本殿(蒲生岡本町)の左側に境内社日吉神社本殿が建っています。建物は、高木神社本殿よりやや規模が小さく、正面向拝の柱間が一間であることのほかは、構造や彫刻の様式などはほとんど同じ「前室付三間社流れ造り」と呼ばれる形式です。前室は角柱、神を祀る母屋は丸柱で、床や縁が前室より一段高く造られています。屋根はひのきの皮を重ねて竹釘で葺く伝統工法で葺かれています。室町時代永正9年(1512)頃の建築です。

 

鋳物師町の竹田神社に伝わる御神像二躯です。神社では蒲生稲置三麻呂像として伝わります。両像ともに約30センチ弱の高さで、一躯は両手を膝上に置き、もう一躯は胸前で手を組んでいます。前者は平安時代前期から中期、後者は同中期から後期頃の作です。いずれも檜の一木造で、白土下地が見られることから元は彩色像だと考えられています。

国指定重要文化財 高木神社本殿

神社境内の左側の高木神社本殿(蒲生岡本町)は、建物は正面三間で、板壁と板扉に囲まれた母屋があり、その前に格子戸で囲まれた開放的な前室を設け、さらに前に向拝を設けた構造です。『前室付き三間社流れ造り』と呼ばれ、滋賀県内に多くあり、全国的にも著名な本殿形式です。丸のみを使った木鼻や格狭間の彫刻の特徴や隣の本殿厨子墨書から、室町時代の永正9年(1512)頃に建てられたものと考えられています。

 

国指定重要文化財 木造観世音菩薩坐像

蒲生岡本町の黄檗宗梵釈寺の御本尊で、寺では観世音菩薩として伝わってきましたが、その姿・形から宝冠阿弥陀如来坐像になります。阿弥陀像には浄土系寺院の本尊と密教系寺院のものがありますが、この像は天台宗で常行三昧の行をする堂に安置されるものです。檜の一木造で、平安時代の前期、10世紀前半の制作です。

 

文化のかおる ”まちづくり”

 2015年(平成27)2月に制定された市民憲章には「歴史に学び伝統を生かし、文化のかおるまちをつくりましょう」の一文があります。まち協のまちづくり計画では「誇りあるまちづくり」として万葉ロマンの里づくり部会の活動を位置付け、蒲生地区の文化財や歴史を活かす活動に取り組んでいます。そこで次回から文化財を順次紹介します。

 蒲生地区には国、県、市により指定や登録された文化財が29件あります。

蒲生野・万葉ロマンの会          (2022.11.18)